何でも前例踏襲というわけにはいかない
多くの役所では4月から新体制での業務がスタートしました。
新しい部署への人事異動、または班や係の入れ替えにより、これまでと全く違う業務を担当することになって苦労している人は多いことでしょう。
前任者から引継ぎを受けているとはいえ、いざ自分がその業務をやることになると全然わからないことが多すぎるわけで、前任者に全く臆することなく連絡ができる人なら、すぐに質問するのかもしれません。
しかし、内向的で繊細な私のような人は、何度も何度もすぐに前任者に質問することなど恐れ多くてできません(そもそも、前任者が退職して連絡が取れなければ質問できない)。
となると、参考になるのは(忖度などにより即廃棄してない限りは残っているはずの)過去の文書であり、定期的な照会回答や事務処理であれば同じように処理すればよいでしょう………
本当にそれでよいのでしょうか?
「えっ?昨年度はそれで通ったんだから、同じようにやればいいんじゃないの?」と何の疑問も持たずに思った人は、残念ながら間違いです。
- 法令・条例・規則・要綱等の改正により、前回と今回とでルールが変わった。
- 前回までのやり方の中にそもそも間違いがあった。
- ルール変更はなくやり方も間違ってはいないが、もっと丁寧な処理した方がいい。
などの理由で、必ずしも前例どおり処理することが正しいとは言えないこともあるのです(自分の経験上思い浮かぶ理由がこの3つですが、他にもあるかもしれません)。
上2つについては、新しく担当する業務でいきなり改正や間違いを見つけろと言われても難しいので、決裁を回している間に指摘を受けて修正するか、ある程度業務の知識を得た後の処理で直していくかということになるでしょう。
一番下については、例えば、
- 伺い文の説明が足りず、何を言っているのかわからない。
- 添付資料が不足し、提出・回答の案が正しいかどうか確認できない。
- 自分でも作成・説明できるところもやらず、関係部署に丸投げしている。
といったことが考えられます。
起案(稟議書等の作成)は、決裁権者が決裁を通して良いかどうかを判断できるように行うことが望ましく、決してハンコを押してもらう作業ではありません。
また、こちらでは対応できないものを関係部署にお願いすることは当然の事務処理ですが、こちらが作れるところまでは整理するとか、補足説明を加えるとかすると、相手にとってはその分簡単に対応できることになるので、相手の気持ちを気にしてしまいがちな内向型HSPの人にはおススメです。